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世界最高峰の移植専門誌に腎移植外科 大久保医師の論文が掲載されました

プレスリリース
2025.08.05

このたび、医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院 腎移植外科 大久保恵太医師による提言論文が、世界で最も権威ある移植専門誌『American Journal of Transplantation(AJT)』に掲載されました。今回の論文掲載は、湘南鎌倉総合病院が現場から発信する制度変革のための医学的提言が、国際的にも高く評価されたことを示しています。

掲載された論文について

“Cultural Myth vs. Systemic Failure: Why Japan’s Deceased Organ Donation Rate Remains Stagnant”
(文化的神話か、それとも制度の失敗か──日本の献腎移植数が増えない本当の理由)

本論文では、日本の脳死下臓器提供数が国際的に見て著しく少ない背景を、文化的・宗教的価値観による説明ではなく、制度的・構造的な欠陥として捉え直し、次の3点に焦点を当てて分析しました:

  • 日本独自の脳死は臓器提供に限るという法律上の制限
  • 医師の過重労働と、臓器提供に必要な説明や対応を担えない医療現場の構造的問題
  • 全国的な臓器移植コーディネーター不足

これらの問題は文化ではなく制度設計に起因する是正可能な課題であることを提示しました。

また、湘南鎌倉総合病院では2024年に2例の脳死下臓器提供を実現。民間非大学病院として、医療現場主導での臓器提供体制を整備し、自院の取り組みとして成果を挙げたこの実例が論文内でも紹介されています。

腎移植外科部長 大久保 恵太医師のコメント

大久保恵太医師

アメリカで移植外科医として研鑽を積むなかで、数多くの患者さんが臓器移植によって元気に退院していく姿を目の当たりにしてきました。一方で日本では、同じ病気の患者さんが移植を受けられずに亡くなっていく──その現実を変えたいという強い思いから、私は帰国を決意しました。

現在の日本では、“あなたの大切な人はアメリカにいたら助かりましたが、日本に生まれたために助かりません”と言っているのと変わらない状況です。私はそのような不条理を、当たり前のこととして受け入れることはできません。

今回の論文は、文化や価値観を理由に思考を止めてしまうのではなく、制度を変えることで現実は動かせる──その強い意思を込めた制度提言です。
湘南鎌倉総合病院では、2例の脳死下での臓器提供が行われました。ご家族の深いご理解とご決断によって実現したこの経験は、適切な環境が整えば日本でも移植医療が確実に前進できることを証明しています。
助かるはずの命が、当たり前に救われる。そんな社会を実現したいと願っています。

掲載論文情報

  • 雑誌名 :American Journal of Transplantation
  • タイトル:Cultural Myth vs. Systemic Failure: Why Japan’s Deceased Organ Donation Rate  

Remains Stagnant

  • 掲載日 :2025716
  • DOI   :1016/j.ajt.2025.07.2467
  • 著者  :大久保恵太(筆頭著者)ほか

American Journal of Transplantation について

American Journal of Transplantation』は、アメリカ移植学会(AST)およびアメリカ移植外科学会(ASTS)が共同で発行する、移植分野の研究成果を掲載する査読付きの月刊誌であり、両学会の公式学術雑誌です。

臓器移植に関わる医学・生物学・倫理学を含む幅広い領域を対象としており、移植医療に携わる研究者、臨床医、その他の医療専門家にとって重要な情報源となっています。

Impact Factorは8.22024年現在)と、移植医療領域では世界最高水準を誇り、掲載される論文は国際的にも高い注目を集めています。

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