日帰り手術センター
特徴
短い入院期間で、なるべく安く、良質な医療を受けたい、そんな現代人の医療ニーズに対応するため1996年年に日本で初めて日帰り手術センターを開設しました。開設当初は外科単科の利用でしたが徐々にニーズは拡大し、現在は婦人科・眼科・外傷整形外科・形成外科・脳神経外科など複数診療科が利用しています。また手術同日入院の利点を利用し、日帰りのみならず短期滞在手術、検査や治療の短期入院の窓口としても活用されています。
トピックス
日帰り手術センターのSDGs(持続可能な開発目標)
日帰り手術センターは患者が安全かつ安心して手術や治療が受けられるよう質の高い医療を提供することを目標としています。そこには年齢・性別・人種や言語・宗教・障害などの差別はありません。すべての人に健康と質の高い医療を提供する「生命だけは平等だ」という徳洲会の基本理念を具現化し実践しているのです。
当センター利用に対象年齢は無く、ジェンダーに起因する性差別はありません。これまでに韓国・中国・タイ・アメリカ・カナダ・フランス・スペイン・・等、海外の国籍を持つ患者さんが当センター利用し、多言語に対応しています。また医療を受ける際の宗教上の希望や様々な障害も患者さんの立場になって共感し、理解して解決できるよう取り組んでいます。この活動は日帰り手術センターだけでなく湘南鎌倉総合病院全体の取り組みであり、医師や看護師、薬剤師、リハビリ、栄養士、国際支援など、様々な職種が関与しています。
1995年に日帰り手術を始め、当時は技術革新であったイノベーションは現在患者にとって価値のある医療を持続的に提供するといった形に変化しています。国際目標であるSDGs「Sustainable Development Goals」と重ね、現代の世代のニーズを将来の世代のニーズへ応えるステップとして、未来を創る活動を実践していきたいと思っています。
国際医療支援室からのコメント

小笹 加奈
国際医療支援室 副主任
当院はJCI(Joint Commission International)やJMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)認証を取得しており、観光地である鎌倉を訪れる旅行者、米軍基地関係者、近隣地域の在住者等、様々なバックグラウンドを持つ外国人患者さんが多く来院されます。
外国人患者対応専門の部署である国際医療支援室には5名の常勤職員が在籍し、英語・中国語・フランス語による対応を行っています(2021年12月時点)。
また、近年ではベトナム語やネパール語といった稀少言語の需要が増加しており、外部通訳の手配やiPadやポケトークによる遠隔通訳・機械通訳も利用しています。また、院内全体の職員の語学力調査を行っており、希望者には対応可能な言語のバッジを配布し職員証と共に着用しています。
上記の取り組みを通じて、国籍や言語、文化の違いに関わらず、誰もが安心して最善の医療を受けられる環境作りを目指しています。
栄養管理センターからのコメント

栄養管理センター 副主任 管理栄養士
栄養管理センターでは一般食をはじめ高血圧症や糖尿病などの治療食、食物アレルギーに対する食事など様々な食事を提供しています。また、当院では宗教法人日本イスラーム文化センターの「ハラール認証」を得ており、ハラール食専用の厨房の設置や調理師の講習など、イスラム教徒の患者さんを受け入れる体制も整えています。
対象疾患と手術・検査一覧
外科 | 下肢静脈瘤、鼠径ヘルニア、痔核、胆石、虫垂炎、尿膜管摘出、甲状腺腫瘍、乳腺腫瘍、リンパ節生検、腹膜透析用カテーテル挿入、シャント造設 |
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婦人科 | 子宮頚部異型性、子宮頸がん、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮体癌、卵巣腫瘍、卵巣がん、稽留流産、子宮脱 |
眼科 | 白内障、眼瞼下垂、睫毛内反症 |
外傷整形外科 | 骨折、骨折後の骨内異物除去、アキレス腱断裂、腱・神経縫合、創傷処置 |
形成外科 | 腫瘍摘出 |
脳神経外科 | 手根管症候群、椎間板ヘルニアに対する神経根ブロック、脳血管造影検査 |
泌尿器科 | 前立腺針生検 |
循環器科 | 心臓カテーテル検査 |
診療時間
月~金曜日 6:30-17:00 土曜日 8:30-17:00
手術決定からの流れ
外来受診→術前検査→手術前面談→手術当日来院→手術→手術後安静→帰宅または入院
日帰りの方は
1.歩けるまたは手術前と同程度の活動が出来る
2.吐き気がなく、水分や食事摂取が出来る
3.自然に排尿できる
4.痛みがコントロール出来ている
5.持続した出血がないという条件を満たせば帰宅
手術
術後安静
帰宅
実績
外科日帰り手術実績
2021年外科日帰り手術実績はこちら
2020年外科日帰り手術実績はこちら
詳細は各診療科のページをご覧ください。
外科のページはこちら
婦人科のページはこちら
眼科のページはこちら
関連する公開医学講座
当院では一般の方向けのWeb公開医学講座を行っております。詳細はこちらをご覧ください。
- その腹痛、そけいヘルニアかも?~日帰り手術について~
- 胆石症・胆のうポリープと日帰り手術
- 子宮体がんの腹腔鏡・ロボット手術~基礎知識と手術の実際~
センター内の写真
日帰り手術センター
センター内1
センター内2
よくあるご質問Q&A
日帰りというくらいだから、簡単な手術なのでしょうか?
A.日帰り手術は入院による日常生活への影響と医療にかかる負担を最小限にとどめるもので、1日で全て治る!という夢のような手術ではありません。傷が治るまでには一定の期間を要しますし、麻酔や手術中の出血量、傷の痛み等の影響が術後の日常生活に残ることもあります。手術後の経過をご自宅で過ごしても問題ないと医師が判断した場合、退院基準に沿って慎重に退院決定し、帰宅後の異常には救急対応や電話対応を行っています。手術を受ける患者様もどんな手術でもリスクがあることは念頭においておかなければなりません。
入院期間や手術費用はどのくらいですか?
A.手術・検査症例、ご本人の保険の費用負担によって異なりますが基本的な入院日数や費用の概算の提示は出来ます。日帰り手術センター看護師にお気軽にお尋ねください。
主な日帰り手術の料金概算はこちらをご覧ください。
手術後、運転して帰って良いですか?
A.手術後は麻酔薬の使用、手術の緊張等で通常の心身状態ではありません。車の運転は禁止しています。ご家族に運転を依頼するか、公共交通機関を利用してください。
手術前の食事制限はなぜ必要なのでしょうか?
A.手術ではご本人の意識下では起こりえない状態が発生します。一番危険なのは誤嚥です。胃に消化されないものが残っていると逆流して気管に入り、窒息や術後肺炎の原因になります。当院では食事は手術前6-8時間以上空ける、水・お茶・清澄水は2時間前までを原則としています。
手術後の痛みは何日くらい、どの程度続きますか?
A.傷の痛みは手術後数日がピークで徐々に軽快します。手術後は鎮痛剤を使用することで痛みの緩和を図ります。傷を気にせず日常生活をおくれるようになるには2週間程度の時間を要します。
すぐに職場復帰出来ますか?
A.麻酔の方法や手術の内容によって職場復帰のタイミングは大きく異なります。デスクワークは翌日から可能ですが、満員電車での通勤や力仕事は1週間から10日前後に予定される術後外来までお休みしてください。復職してからも手術前と同じ仕事量ではなく、短時間の作業から徐々に慣らしていくことをお勧めします。
手術の前後に気になることはどこに相談したら良いですか?
A.心配や些細な疑問は日帰り手術センターの看護師にご相談ください。
月~土曜日 直通電話 0467-48-2849を相談窓口として設けています。
尚、手術の日程変更に関しては医師との調整になりますので、各科外来にご相談ください。