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体外照射(TomoTherapy トモセラピー)

高精度放射線治療装置トモセラピー

2010年9月1日に湘南鎌倉総合病院は新築移転し、放射線治療を開始しました。高精度放射線治療が可能なトモセラピー2台で年間300名以上の患者様の治療を行っております。病院全体でも今後さらにがん治療に力を入れていきます。

 

トモセラピーの特徴

  1. 副作用を抑え放射線治療を行うことができます。

    トモセラピーは、強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)という二つの技術を組み合わせた放射線治療装置です。

    画像誘導放射線治療 IGRT(Image Guided Radiation Therapy)
    トモセラピーに内蔵されたCTを使って毎回の治療直前に画像を撮影します。この画像を用いて、腫瘍およびその周囲の正常臓器の位置を確認し、事前の計画通りになるように体の位置の微調整を行います。これにより正確な放射線治療が可能となります。

    強度変調放射線治療 IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)
    トモセラピーでは、腫瘍の形に合わせて放射線を照射することができます。コンピュータ制御によって放射線の形状、強度を複雑に変化させつつ、360度方向から照射します。このことによって、放射線を腫瘍に集中させ、周囲の正常臓器にはできるだけ放射線を照射しないようにします。

    この二つの技術によって、放射線による治療効果を高め、副作用を低減します。





    体の周りを放射線発生装置が回転しながら放射線を照射していきます。放射線が照射された前立腺の部分が、赤く変化していきます。周りの正常組織(直腸:白く長い臓器、膀胱:緑色の臓器)には、できるだけ放射線が照射されないように調整しています。

  2. 身体に優しい治療が可能です。
    放射線治療は比較的、副作用が少ないため、年齢や体力面から、手術や抗がん剤治療が難しい患者様も安心して受けることができます。また、仕事をしながら治療を受けることも可能です。治療中も普段と同じ生活をおくることができます。
     
  3. 様々な部位、大きさの腫瘍を一度に治療することが可能です。
    腫瘍の部位、大きさ、形状、種類によらず、効果的な放射線治療を行うことが可能です。一度に数か所をまとめて治療することができるため、患者様の通院のご負担を少なくすることができます。

     

トモセラピー 治療の流れ

  1. 診察
    放射線腫瘍科医師が患者様のご病状をお聞きし、診察をします。情報が足りない場合、追加の検査を行うことがあります。
    患者様および主治医と十分協議検討した上で、最適と考えられる治療方法を提案させていただきます。トモセラピーの治療よりも他の治療法が望ましい場合は、その提案をさせていただきます。放射線治療の方法、効果、考えられる副作用について説明し、同意書をいただきます。  
  2. 治療計画
    治療に先立ち、治療計画を行います。これは、どの部位にどのくらいの放射線をどのように照射するか、という計画です。まず治療計画用のCT撮影を行います。 目標とした部位に放射線を正確に照射するためには、治療中に体が動かないようにすることが大切です。治療する部位によっては、一定の姿勢を保つために固定具を作成します。また位置合わせのためにマジック等で体に印をつけます。

    撮像したCT画像とコンピュータを用いて放射線治療計画(治療のための設計図のようなもの)を作成します。正確な治療の実施のために、いくつかの確認作業が必要なため、治療計画CTの撮像から治療開始までに数日間かかります。(緊急の場合はこの限りではありません)
     
  3. 治療実施に関する説明
    放射線腫瘍科スタッフより治療スケジュール、治療期間の注意点、治療にかかる費用についてご説明をします。ご不安なことがあればご相談ください。  
  4. 放射線治療の開始
    治療計画時と同じようにトモセラピーの寝台に寝ていただきます。トモセラピー内蔵のCTで照射部位の撮影を行い、腫瘍やその周囲の正常臓器の位置がずれていないか確認をしてから、放射線を照射します。一回の治療時間は10〜20分程度です。

    一回に大量の放射線を照射すると正常臓器に対するダメージが大きく、強い副作用が起こるので、数回〜数十回に分割して照射していきます。

    通常は1日1回、月曜日~金曜日の週5日間の照射を行います。
    照射回数は腫瘍の種類、治療部位等によって差があります。診察時にご説明いたします。

 

    ※女性患者様には可能な限り女性技師が担当いたします。

放射線治療実績(2023年度)

陽子線治療 原発巣別新規患者数            
泌尿器系腫瘍 80
肝・胆・膵癌 20
頭頸部腫瘍(甲状腺腫瘍を含む) 9
脳・脊髄 腫瘍 6
肺癌・気管・縦隔腫瘍 12
胃・小腸・結腸・直腸癌 2
食道癌 3
その他(悪性腫瘍) 8
総計 140

泌尿器系腫瘍は全て前立腺
15歳以下の小児例:11

トモセラピーおよび小線源治療 原発巣別新規患者数          
乳癌 132
肺癌・気管・縦隔腫瘍 79
造血器リンパ系腫瘍 54
婦人科系腫瘍 46
頭頸部腫瘍(甲状腺腫瘍を含む) 31
泌尿器系腫瘍 30
胃・小腸・結腸・直腸癌 34
食道癌 17
肝・胆・膵癌 11
脳・脊髄 腫瘍 10
皮膚・骨・軟部腫瘍 8
その他(悪性腫瘍) 5
良性疾患 2
総計 459

肺癌・気管・縦隔腫瘍のうち、肺:77

 

脳および骨転移治療患者実人数(新患+再患)         
脳転移 23
骨転移 70

 

小線源治療患者数(新患+再患)   28     
実施件数 73

 

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