血管造影検査1(心臓カテーテル)
概要
血管造影装置とは
血管はX線写真では写す事が出来ません。しかし造影剤という薬を使用することで、血管を写す事が出来ます。心臓カテーテル検査では直径約1~2.5mm程のカテーテルと呼ばれる細い管を心臓まで到達させ、その管を使って造影剤を注入する事で心血管の血流を撮影します。
カテーテル検査とは
通常患者さまに歩いて入室してもらいますが、歩行困難な場合には車イスもしくは、ストレッチャーで入室していただきます。寝台には仰向けで寝ていただき、右肘の動脈から検査をおこないますが、場合によっては手首、もしくは足の付け根の動脈から検査をおこなう事もあります。次に局所麻酔をしますが、この際少し痛みが伴ないます。
右肘の動脈から、カテーテルと呼ばれる管を挿入し心臓の血管を造影して検査を行いますが、検査中に痛みを伴う事はほとんど有りません。検査終了後右肘の動脈から管を抜き、止血器具(とめたくん止血パック)で止血をし、車イスで病室へ戻っていただきます。
検査装置
心臓カテーテル検査室は、新病院になってから4台の血管造影装置を導入しました。(旧病院時代は2台)
このうちの3台は、1度の撮影で2方向からの撮影が可能なバイプレーン装置と呼ばれる機械で、3台とも最新のフラットパネルディテクターを採用しています。
この内の2台は心臓血管専用、もう1台は抹消血管治療及び不整脈治療を専門にしています。
残りのもう1台も、最新フラットパネルディテクターを採用した血管造影装置ですが、こちらは単一方向からの撮影機器で主にペースメーカーなどの埋め込みなどに使用します。
特徴
心臓カテーテル検査室では、夜間及び休日の緊急対応としてオンコール体制をとっています。
カテ室のスタッフは、夜間・休日などは病院から10分圏内の場所で待機することで24時間、365日、いつでも緊急検査に対応できる状態をとっています。
注意事項
造影剤について
造影剤を注入すると、個人差はありますが、体が熱く感じる事があります。しかしこの症状は直接の反応であるので心配はいりません。
また、造影剤を用いるとまれに副作用を起こす場合がありますが、心臓カテーテル検査室では検査中スタッフが患者さまの様子を観察しており、万一の副作用に対してもすばやく対応が出来る状態で検査を行っています。
こんな時は心筋梗塞かも
- 胸痛症状
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- 痛みよりは「圧迫感」、「絞扼感」、「焼けつくような痛み」
- 「痛みの範囲が握りこぶし」以上の大きさ。
- 30分以上の痛みの持続。
- 押しても痛みが増強することはない。
- 体位で痛みは変化しない。
- 随伴症状
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- 吐き気や嘔吐を伴うこともあり。
- 「冷汗」、 「強い気分不良」や「強い不快感」を伴う。
- その他の治療
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近年高齢者の方々に増えてきている心臓弁膜症疾患の一つに大動脈弁狭窄症があります。
今までこの疾患への治療方法は開胸手術をうける以外方法は有りませんでした。
しかし高齢のための体力低下、またはその他の疾患などのリスクを持っているため開胸手術を受けられないなど、今までは治療を受けるにあたっての制限がありました。
TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)が2013年10月に日本で保険適用となった事で今までこうした制限のため治療を受けられずにいた患者様も大動脈弁狭窄症の治療を受けられるようになりました。
当院でもこのTAVI(経カテーテル大動脈弁治療)を行っており、昨年は82症例の実績を上げています。
また他にも僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療(MitraClip)も行っており昨年は17症例の実績を上げています。
実績
件数 | |
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総件数 | 5,235 |
診断カテーテル | 3,031 |
PCI | 1,046 |
AMI | 118 |
PMI(ペースメーカー) | 263 |
末梢血管治療件数 | 362 |
アブレーション | 711 |