人工膝関節センター

人工膝関節センター センター長
略歴 |
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認定等 | 医学博士、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ財団登録医 | |||||||||||
所属学会 | 日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本人工関節学会、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会、日本関節病学会、Orthopedic Research Societyなど |
令和2年3月17日
前センター長の巽先生が退職になると公表されてから、これから手術を希望する患者様はどうしたらいいのだろうかと不安を感じていらっしゃるのではないかと思います。2020年4月からは引き続き私が担当させていただきますので、膝の具合の悪い方は是非一度外来を受診してみてください。巽先生同様、膝関節の人工関節を専門にしていて、人工膝関節全置換術(TKA)、人工膝関節単顆置換術(UKA)どちらも多くの手術を行ってきています。
4月以後にも、すでに手術を希望されている患者さんが多数いらっしゃるので、4月中旬には私の手術を開始できるように現在準備を重ねています。膝の変形による痛みでお悩みの方は外来を受診して相談してみてください。
- 外来は完全予約制。
お問合わせは、0467-46-7172(直通)月から金曜 10:00から16:00
令和2年4月以降の当院の人工膝関節置換術について
4月14日に手術を開始して7月8日現在までおよそ30例の手術を行いました。中には非常に高度の変形を伴う患者様もいましたが、手術は無事に終了し皆さん順調に経過しています。
手術および術後リハビリの特徴
・手術中は独自に開発した術式により1mmの精度にこだわった仕上げを目指しています。
・術後は神経ブロック注射や点滴の痛み止めなどを用いてできるだけ強い痛みを抑えるように努力しています。
・術当日から寝返り動作など行い、エコノミークラス症候群発生リスクの低減に努めています。
・手術翌日から膝リハビリクッションを用いた積極的な屈曲練習を行います。
・手術翌日から積極的に立位・歩行練習を開始します。
人工膝関節置換術ではきちんとした正確な手術を行うことも重要ですが、術後のリハビリも大変重要です。術後早期に膝を曲げるために必要な方法を説明し実践しています。具体的には手術翌日から膝リハビリクッションを用いて積極的に屈曲練習を行っています。これにより手術翌日で平均100度を超える膝屈曲角度の獲得が得られています。もともとの変形や曲げ伸ばし角度の制限にもよりますが、退院時にはほとんどの人が120度を超える屈曲角度を獲得できていて、140度以上の屈曲が可能になっている人も珍しくありません。
写真は実際の手術患者様の入院中の膝屈曲リハビリの様子です。術翌日から膝リハビリクッションを用いることにより、早期から良好な屈曲角度を獲得することが可能です。
入院期間は2週半ほどです。基本的には術後2週で抜糸してからの退院となります。手術の翌日から膝の曲げ伸ばしの練習と立つ練習を開始します。歩く能力はそれぞれの患者様の体力や筋力にもよりますが、もともと自分で歩いている方でしたらほとんどの人が2-3日で自分でトイレに行くことができるようになります。
あまり強く勧めてはいませんが、早期退院希望の方はトイレ歩行が可能になっていれば1週ほどで退院することも可能です。ただ、この時点では腫れも強く残っていて曲げ伸ばしの練習も十分ではないことがあります。それでも早期退院が希望の方はご相談ください。その際は早期退院する上での注意点を説明します。
人工膝関節置換術は膝の変形・痛みで悩んでいる患者さんにとって最後の手段ですが、最近では20年、30年以上の良好な臨床成績も報告されています。一方で、多くはありませんが合併症のリスクもあります。加齢により衰えた下肢の筋肉から生じる問題もあります。お悩みの方はまずは受診してご自分の膝の状態を確認して手術をするべきかどうかの相談をしてください。
(人工膝関節センター センター長 金山 竜沢)