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腎臓内科ブログ

<Vol.34>【アフリカ トーゴ共和国透析支援報告】

腎臓内科
2014.08.02

臨床工学技士の藤川です。今年の3月23日から4月4日にかけて守矢先生、血液浄化センター看護師の塩野さん、そして私の3人でアフリカのトーゴ共和国にあるロメ(トーゴ共和国首都)中央大学病院透析センターへ寄贈したニプロ社製透析装置の使用方法を含めた業務支援に行ってきました。

だいぶ遅れましたが、今回はその報告をしたいと思います。

トーゴ共和国透析支援報告

トーゴ東端(病院はトーゴの西端)の、とあるレストランにて

(写真左から2番目がDr.Sabi 右端が私です)

まずトーゴという国についてですが西アフリカに位置し、東にベナン、西にガーナと国境を接しています。人口は約600万人、首都はロメ、面積は5万7千k㎡で日本の7分の1程しかない小さな国です。(ちなみに日本との時差は-9時間です。)

トーゴ共和国透析支援報告

透析センターの患者登録数は78人で、徳洲会より寄贈されたニプロ社製透析装置11台を使用し、1回4~5時間の透析治療を1日3回行っていました。

アフリカでは珍しく、ここトーゴでは約30年も前から透析を行っており、治療にあたるスタッフは皆慣れ、とても清潔に透析医療が行われていました。

また透析室は今回新しく増設されたもので、室内には大型のエアコンが設備されていました。外気温は30℃近くあり蒸し暑いですが、室内はとても快適でまるで日本で透析をしているかの様でした。

トーゴ共和国透析支援報告

中央大学内にある透析センター

トーゴ共和国透析支援報告

透析センター内治療風景

しかし透析センターから一歩外に出ると敷地内の至る所に大きなトカゲがおり、やはりアフリカに来た事を実感させられます。

トーゴ共和国透析支援報告

病院敷地内にて

今回私にとって初めての海外がアフリカということで、行く前は不安しかありませんでしたが一緒に同行した守矢先生や看護師の塩野さんに助けられ、何とか無事に業務を終えることができました。

また今回臨床工学技士の立場から機械の細かい設定などを指導してきましたが、その中で最も苦労した点は言葉でした。トーゴの公用語はフランス語でしたが、英語を話せるスタッフが何名かいたためやり取りは全て英語でした。私自身英語は得意ではないのであらためてその必要性を痛感しました。(私の拙い英語を一生懸命に聞いてくれたことには感謝の気持ちでいっぱいです!)

トーゴ共和国透析支援報告

透析センタースタッフ

現地のスタッフは皆明るく、勉強熱心でこちらが教えられることが多かったトーゴ共和国透析支援でした。

今後、透析機械のメンテナンス等でもう一度訪れるチャンスがあれば是非また訪問したいと思っています。その時までに少しでも英語が上達するよう現在勉強中です。

臨床工学技士
藤川 大吾

追加のコメントです。

トーゴには約670名の医師が勤務しているようですが、その中で腎臓内科を専門とする医師は3名のみということでした。

透析患者は毎回透析回路を約6ドルで自費購入するだけで透析を受けることができますが、年間所得から考えると6ドルでも高額なのが実情のようです。透析患者は若い人しかいないのかなと思いましたが、20歳から77歳まで比較的高齢者も透析を受けており、中には透析歴12年の方もおられました。

一方で、新聞やTVなどのマスコミを利用して一般市民に事前に宣伝を行い、3月27日に「腎臓day」と称して透析センターで体重、血圧や血糖、尿蛋白などを無料で測定するイベントを行っていました。参加者は837人!!にもなり、朝早く行列に並んだのに、すべて検査を終って問診を受けて帰ったのが夕方の5時ころになる人もいましたが、みな時間など気にせず、気長に並んでおしゃべりしながら待っている姿は、何かほのぼのとした風景にも見えました。Dr.Sabiは孤軍奮闘で参加者へ生活指導をしていましたが、このような献身的な医師がいれば、この国の未来は明るいなと感じた次第です。

日本の腎臓内科医も頑張らないと!!

血液浄化部
守矢 英和

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