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胸壁外科ブログ

<Vol.09>Nuss法漏斗胸手術手技研究会について

胸壁外科
2018.01.29

この研究会はNuss法手術の普及を目指して発足した会であり、私はNuss法を行っていないので参加したことはありませんでした。漏斗胸手術は胸部外科、小児外科、形成外科などで診察と手術を行っているために国内では一堂に会して漏斗胸を論じる機会がありませんでした。会の代表世話人の植村貞繁教授の広く漏斗胸について論じる会にしたいとの御意向からお誘いをいただき参加することにいたしました。

国内では漏斗胸手術をたくさん行っている施設が少なく、CWIG(コラム6参照)のように1,000人を超える患者さんの手術結果を統計学的に検討した発表はありませんでしたが、胸郭変形の患者さんのより良い治療法を見出すために白熱した議論が行われました。

胸肋挙上術は、左右非対称、思春期以前、成人、陥凹と突出の両方を有する複雑な変形、鳩胸など様々な患者さんの胸郭に対応することが可能で、大きな合併症が起きていないことを400人以上の患者さんの手術結果から発表いたしました。また胸肋挙上術変法は、ラビッチ法、胸骨翻転術、胸肋挙上術原法などの過去の術式とは手術方法もその対象となる患者さんや結果も大きく異なることを説明しました。Nuss法以外の手術方法は胸肋挙上術だけであり、発表後も多くの先生方からご質問を受けました。

Nuss法は原法では前胸部に傷がなく、Nuss先生が推奨する年齢の患者さんに対して十分な経験を有する医師が行えば良好な形態が得られる画期的な方法です。しかし左右非対称の胸郭の矯正、Nuss先生が推奨する13-17歳以外の年齢に対する手術、早期に運動を開始したい方への手術などでは胸肋挙上術は有効であると考えます。Nuss法では合併症が比較的多いこと、呼吸や体動で動く胸郭をバーで長期間固定すること、疼痛が遷延することなどが問題点として考えられますが、それについて詳細に検討した発表はありませんでした。

私たちはNuss法を行わないのですがこの研究会の世話人にご推挙いただきました。今後も手術手技を改良し、より良い結果が得られるようにお互いの手術の経験を生かし欠点を補えるようしていきたいと思います。

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