腎臓内科ブログ
<Vo.17>【第109回日本内科学会参加レポート】
今回は石岡が担当致します。
4月13-15日の3日間、桜満開の京都において第109回日本内科学会講演会が開催されました。
内科系では最大規模の学会で、毎年約3万人が参加しております。
当科からも、前回ブログで執筆された古谷先生が、「脳血流SPECTによる腹膜透析患者のアルツハイマー予備群の評価」と題して発表されました。特に腹膜 透析患者さんにおける認知機能評価や脳の血流については、明らかになっていない部分が多く、今回の発表はこの分野の礎となるような重要な研究発表であり、今後の更なる発展にも期待が寄せられます。当日は多くの方々が聴講され、複数の質問に対しても、余裕のある回答をされておりました。
4月14日には、サテライトシンポジウムとして、「研修医、医学生の内科学会2012京都」が同時に開催されました。若い先生の為の研究発表の場であ り、当院総合内科より研修医2年目の大谷岳人先生が「当院における劇症型肺炎球菌敗血症の検討」と題して発表されました。発表に際しては、総合内科部長の 北川泉先生は勿論、当科の小林修三先生、守矢英和先生にも御指導頂き、結果は見事優秀賞を獲得されました。
本学会の会頭の京都大学中尾一和先生は、会頭御講演の中で、基礎研究と臨床(ベットサイド)との間をつなぐ、臨床医学研究(Translational Research)の重要性を説いておりました。すなわち、臨床的なneedsをいかに的確に捉えて、基礎研究から生み出されたseedsとつなぐ双方向のscienceを強調しておられました。
我々も日々の多忙な診療の合間を縫って、同じような立場で苦しんでいる多くの方々の為に、日々臨床業務を終えた後、臨床研究に勤しんでおります。
その様な中での、今回当科(及び当科が関係した)の2人の若い先生の御発表は、本当に素晴らしいものでありました。加えて、日頃小林先生が口にされる「世に物を問う」ことの重要性を、改めて実感した学会でありました。
腎免疫血管内科 医長
石岡 邦啓