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腎臓内科ブログ

<Vol.51>【瀬戸内徳洲会病院研修報告】

腎臓内科
2015.02.05

腎免疫血管内科の吉田です。

昨年12月の1ヶ月間、瀬戸内徳洲会病院での離島応援に行って参りましたので、そのご報告をこの場を借りてさせていただきたいと思います。

離島応援という制度は徳洲会ならではの制度で、離島医療の人材不足を改善する目的で考案された制度のようです。具体的には離島以外で勤務する医師が一定の期間、離島にある徳洲会病院で診療を行うことを指します。

今回、私も奄美大島南端にある瀬戸内徳洲会病院で診療を行って参りました。

そこでは高野 院長が医業に止まらない地域再生の方策を模索し、伊藤副院長が地域格差を感じない医療が実現可能な環境を整え、朴澤 加計呂麻診療所長がそれらの実現の担い手として大活躍していました。

私が参ったところで大した助力にはならなかったかもしれませんが、瀬戸内徳洲会病院が抱える医療圏は地域も広大で、人数も多数です。お隣の船で25分の加計呂麻島は端から端まで車で2時間弱かかるほど大きい島でありながら中央にある徳洲会加計呂麻診療所が唯一の診療起点であり、そこで週3日の外来が行われています。さらには与路島・請島といった無医島も医療圏に含まれます。さすがに3人の常勤医のみでは疲弊してしまいます。私以外にも2〜3人の全国各地から集まった、やる気に満ちた研修医のみんなも診療をサポートして良いチーム医療が実践されていました。

そこで行われるべき医療は患者さんの社会的背景も十分配慮したものである必要が当然あり、普段の生活環境によって入院・帰宅の判断や処方内容や検査などの敷居も常にフレキシブルに対応する必要がありました。

瀬戸内徳洲会病院研修報告

左から2番目が私です

そこでは「腎臓内科」という専門の肩書きはほとんど必要とされておらず、「医師」という”診療行為のできる人間”であるということが一番重要視されていました。夜間・当直帯であれば当然その地域で発生した患者さんはどんな方でも受診してきます。子供の喘息から高齢者の肺炎、果ては交通外傷までと多種多彩な症状・疾患の方が受診されるわけですが、そこで「専門ではない」といってパスを出せる相手は車で山を越えて1時間弱の名瀬市の病院しかありません。自分の能力の客観視も含め、検査・治療機器などの診療資源と患者さんの病態を照らし合わせ、最適な医療を提供するために常に頭を働かせる必要がありました。

医師にとってある種厳しい環境ではありますが、そういう環境で医師も成長します。医師として駆け出しの頃に経験した事柄が生かされることもありました。また同時に現在はインターネットも発達しており、最新の文献にも時間差なくアクセスすることができます。“常に最善の治療を”との心がけさえあればそれが可能であることを実践しているチームがそこにはありました。

また、そういった環境では当然のように医師の環境を理解してくださる看護師・薬剤師・理学療法士・言語聴覚士・ME・栄養士の方々がいます。医師の負担を可能な限り軽減してくださる診療体制がすでに構築されており、非常に仕事のしやすいコミュニケーションの取れた環境でした。

1ヶ月という期間はあっという間で、医師としての原点が思い出させる期間であり、非常に充実した期間で、患者さんの笑顔に多く触れられた素晴らしい期間でした。たった1ヶ月でしたが、1ヶ月でも地域の皆様の診療に携われたことを誇りに思います。

具体的なエピソードは枚挙に暇がありませんが、私の心の中の宝物としておきつつ、お世話になった先生方、スタッフの皆様に感謝しつつ、また瀬戸内町に伺う機会があることを願いつつ筆を置きたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

腎免疫血管内科
吉田 輝彦

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