代表番号
救急は24時間365日受付

0467-46-1717電話

  • youtube
  • instagram
  • line
  • facebook

胸壁外科ブログ

<Vol.02>第54回日本小児外科学会学術集会報告(その1)

胸壁外科
2017.07.06

小児に対する外科治療を行う医師の学会です。漏斗胸や鳩胸などの胸郭変形疾患は小児期に明らかになることが多く、小児外科学会では活発に討論されます。

今回はテーマを決めて討論する「要望演題」に「漏斗胸の治療戦略」が指定され、8題が選ばれて発表、討論されました。

私たちは演題「10歳以下の小児に対する漏斗胸手術の検討」を発表しました。この発表の背景にあるのは、Nuss先生が2016年の論文でもNuss法(本編参照)による漏斗胸手術は12-15歳ごろまで待ってから行う、と述べていることです。それ以下の年齢では、成長によってバーが体に合わなくなったり、バーを抜いた後の再発が多いためです。また18歳以上のナス法は合併症が増えることも同時に述べられています。海外では1,000人以上に対してNuss法手術を行った経験がある病院がいくつかありますが、その多くは思春期まで待ってから手術するとの報告をしています。私たちの胸肋挙上術は、1993年以降10歳以下の方149人に対して行われました。問題となるような合併症や陥凹の再発、成長への悪影響はなく、ご満足をいただける結果を得ていることを発表しました。手術後は平均5.9日で退院し、退院後に痛みどめを要するような痛みがあった方はなく、3か月以内にすべての患者さんですべての運動が可能になりました。Nuss法と異なり異物を留置することがないので、長期の運動制限や再手術して取り出す心配はありません。変形を気にしながらNuss法が適応される年齢まで待つのは患者さんにとって良い事ではないと考えています。肋軟骨の一部を切除することによって胸が小さくなるのではないかとのご質問いただきましたが、成人も含めた200人以上で、胸肋挙上術前後のCTを計測して、胸の内腔は小さくならないことがわかっていることをお答えしました。

次回は他の先生方の発表について報告いたします。

PAGE TOP

© Shonan Kamakura General Hospital.

職員の方へ 委託業者の方へ